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ギックリ腰は、突然起こった腰痛を指す言葉で、特定の病気を指した言葉ではなく、誰にでも突然起こる可能性があります。
症状
腰部に起こった突然の激痛で動けなくなることが一番の特徴です。
骨、筋・筋膜、関節由来の疼痛の他、重く張ったような痛みが続くこともあります。
原因
ギックリ腰の原因は様々で、特定の動作が原因となる患者さまもいれば、全く原因が思い当たらないという患者さまもいらっしゃいます。
特定動作の典型例としては以下のような動作があげられます。
- 重いものを不安定な姿勢で持ち上げた(植木鉢を中腰姿勢で持ち上げた)
- 急激な腰背部のストレッチ、背筋運動をした
- 寒い場所で腰に負担がかかる作業をした
- スポーツ動作で腰に負担がかかった(ゴルフ、バレーボール、バトミントンなど)
レントゲンで腰部のチェックをしても明らかな異常所見がないことも多く、以前は、そのほとんどが原因不明と言われていましたが、近年では、MRI、エコーなどの画像診断技術の進歩もあり、精査すれば原因(筋肉の損傷、椎間・仙腸関節の捻挫、椎間板損傷、その他)が判明するケースも多いようです。
治療
急激な腰痛に襲われるので、まずは、疼痛管理などの応急措置が必要になります。
楽な姿勢で、腰に負担のかからないように安静にしていただくことがまずは大切であり、コルセット、腰椎ベルト、痛み止め、外用薬の使用を提案させていただくことが多いです。
上記のような保存的治療の効果が不十分であれば、MRIなどでの精査をお勧めさせていただくこともあります。
リハビリテーションの実施
また、短期間に急性腰痛を繰り返している患者さまには、体幹トレーニング、腹圧トレーニング、適切な身体の使い方、ストレッチなどの指導目的でリハビリテーションをお勧めし、再発予防をお勧めさせていただくことがあります。
注意
ギックリ腰になった原因が他の病気である場合もあります。
代表的なものを紹介いたします。
脊椎圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、化膿性脊椎炎
腰痛症状の他に下肢の痺れ、知覚異常、運動麻痺、排尿障害、歩行機能低下などがあらわれます。
骨粗鬆症がバックグランドにある高齢患者さまで、転倒、尻餅などの外傷歴があり、立ち上がり、歩行が困難で自宅での日常生活に支障があるようであれば、脊椎新規圧迫骨折が疑われ、ベッド上での安静、精査、コルセットの作成などが必要となることが多く、入院可能な病院に紹介させていただくこともあります。
成長期における脊椎分離症、椎体終板障害
尿路結石
排尿時の疼痛、血尿、ふらつき、めまいなどの貧血症状があらわれます。
膵臓がん、膵炎などの消化器疾患
背中を丸めると少し楽になったり、食事への影響、黄疸を伴います。
腹部大動脈瘤などの血管系疾患
拍動性の疼痛、高血圧との関連があります。
レッドフラッグサイン
特に注意が必要な腰痛(腫瘍、炎症、骨折)が疑われます。
レッドフラッグサインの項目は下記の通りです。
- ①20歳未満、55歳以上
- ②時間、活動性に関係なく起こる腰痛
- ③胸部痛を伴うもの
- ④がん、ステロイドによる治療歴、HIV既往のある患者さま
- ⑤栄養不良
- ⑥体重減少
- ⑦神経症状が広範囲
- ⑧脊柱変形が高度
- ⑨発熱
それぞれの疾患が疑われる場合、近隣の専門施設に紹介させていただき、該当科での精査をお勧めさせていただくことがあります。
- 変形性頚椎症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- ストレートネック(スマホ首)
- 頚椎捻挫(むち打ち損傷)、外傷性頚部症候群、寝違え
- 胸郭出口症候群
- 肘部管症候群
- テニス肘
- ゴルフ肘
- 野球肘
- 肘内障
- 肩腱板損傷・断裂
- 肩石灰沈着性腱板炎
- 肩関節周囲炎
(四十肩、五十肩) - 凍結肩(frozen shoulder)
・拘縮肩 - 頚肩腕症候群・肩こり
- ギックリ腰(急性腰痛症)
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 脊柱側弯症
- 胸腰椎圧迫骨折
- 腰椎分離症・分離すべり症
- ガングリオン
- ドケルバン病
- ばね指
- 母指CM関節症
- 指変形性関節症(へバーデン結節、ブシャール結節)
- 手根管症候群
- ギオン管症候群(ギヨン管症候群、尺骨神経管症候群)
- 突き指・マレット指
- 膝半月板損傷
- 膝靭帯損傷
- 子どもの成長痛
- オスグット病
- 変形性膝関節症
- 足関節捻挫
- アキレス腱断裂
- 外反母趾
- 有痛性外脛骨
- モートン病(モートン神経腫)
- 足底腱膜炎
- Jones骨折(ジョーンズ骨折・第5中足骨近位骨幹部疲労骨折)
- 足部骨端症
- 扁平足(flat foot)・開張足
- 関節リウマチ
- 高尿酸血症と痛風発作
- ロコモティブシンドローム
- 骨粗鬆症
- グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
- 大腿臼蓋インピンジメント症候群(FAI)
- 股関節唇損傷
- 変形性股関節症
- 大腿骨近位部骨折
- 運動器不安定症
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